【ダルビッシュ有(パドレス)】 評価:A+
パドレス1年目の昨季は後半に失速したことで8勝11敗と負け越し、防御率も4.22と期待を裏切ったダルビッシュだが、今季は最後まで自分の仕事を全うした。
30試合に先発してキャリア最多に並ぶ16勝(8敗)を挙げ、防御率も3.10に改善。課題だったシーズン終盤も8試合連続クオリティスタート(6イニング以上を投げて自責点3以下)で締めるなど、クオリティスタート数はリーグ最多の25試合を数えた。同じ30試合の先発だった昨季の投球回数が166回1/3だったのに対して今季は194回2/3だったことからも、今季のダルビッシュが安定して試合を作っていたことが分かる。
ややもったいなかったのは、ポストシーズンでのラスト2試合。ナ・リーグ優勝決定シリーズでフィリーズ相手に2試合先発し、シリーズ初戦が7回を3安打2失点、第5戦は6回を4安打2失点と好投したものの、いずれも勝てなかった。打線の援護がなかったのが最大の敗因なのは確かだが、失点はいずれもホームラン。これでポストシーズンでは2016年から数えて10試合連続でホームランを浴び、その合計は16本となった。
【鈴木誠也(カブス)】 評価:C+
メジャー1年目の鈴木は111試合に出場して打率2割6分2厘、14本塁打、46打点、9盗塁。打撃力はレギュラーとしては可もなく不可もなく、守備の貢献度を示すUZRも1.0とほぼ平均だった。
これがマイナーから昇格してきた若手有望株なら上々と言えるが、NPBから5年総額8500万ドルで移籍してきた「助っ人外国人」的な立場であることを考えると、やや物足りないとも取れるだろう。走塁時のスライディングで指を痛めての戦線離脱も不用意なものだけに減点は避けられない。
とはいえ、NPBからMLBへのアジャストが一筋縄ではいかないのは数多の先輩たちが示してきたとおり。打球傾向はゴロが約4割、フライとライナーが約3割ずつで、打球方向は両翼と中堅でほぼ三等分と広角に散らばっているなど、今季を糧に来季は飛躍してくれるという可能性は示した。現地メディアでの評価もそこまで辛口ではなく、再建途上にあるカブスの中心選手として期待する向きが多い。