治療を継続するためには一緒に暮らす家族の協力が必要なケースも多い。同院のリエゾンチームの看護師は、患者の退院時に家族に対し、転倒予防のための自宅の環境整備や食事と運動、日光浴、治療継続の重要性などを説明する。リハビリに携わる理学療法士も、退院後も半年ごとに継続して身体的評価や家族への生活指導などをおこなう。服薬指導をおこなう薬剤師も薬の説明にとどまらず、二次骨折リスクが高まっている状況についてそのつど説明を加えるという。同院のリエゾンチームスタッフは病院ホームページで骨粗鬆症の解説動画なども公開している。
リエゾンサービスによって、治療の実施率は20%上昇、治療の継続率は22%上昇、骨密度も24%上昇。再骨折率は5%低下するという海外データもある。
「骨粗鬆症の治療は長期にわたります。しかし、大丈夫だと思って治療をやめると、とたんに骨折してしまう。何よりも継続が大事です」(同)
(文・石川美香子)
※週刊朝日2022年11月11日号より