現在の投手陣のスタッフを見ると、不安が多いことに気づかされる。今季の先発陣で規定投球回数に到達したのはチームトップの12勝をマークした戸郷翔征と菅野智之のみ。大卒2年目の山崎伊織が頭角を現したが、右ひじの手術明けということもあり20試合登板で7イニングを投げ切ったのは3試合のみ。メルセデスも故障が多いのがネックで、来日5年間で1度も規定投球回数に達していない。負担が掛かる救援陣も「勝利の方程式」を確立できない。今季53試合登板した平内龍太は今月1日に右肘のクリーニング手術を受け、育成で再契約する見込み。セットアッパーとして稼働してきた中川皓太も腰痛で今季は1、2軍登板なしで、来季も戦力として計算が立っていない。
「先発、救援とも駒がそろっていない。補強しようにもFA、他球団の外国人にエース級の投手がいない。レンジャーズ傘下3Aを自由契約となった有原航平を調査していますが、右肩を手術しており、シーズンを通じてどれだけ投げられるか不透明です。今の巨人は勝ち方が見えてこない。リーグ連覇したヤクルトも先発陣は2年連続2ケタ勝利を挙げた投手がいなかったが、先発投手が試合を作れば、6回以降は強力救援陣で逃げ切るというスタイルが確立している。阪神もFA権を保有していた西勇輝、岩崎優、岩貞祐太の3人が残留を決めたので強力投手陣が健在です。打ち勝つ野球には限界がある。投手陣を整備しなければ、V奪回は遠いです」(巨人を取材する民放のテレビ関係者)
原監督は、どうチームを立て直すか。(梅宮昌宗)