『パックン式 お金の育て方』より(イラスト/田渕正敏)
『パックン式 お金の育て方』より(イラスト/田渕正敏)

 試しに、収入がほとんどなくて頼れる人もいないのに、とてもお腹が空いている状態をイメージしてください。何か食べたいけれど、お金がないからどうしようもありません……。

 そんなとき、家の中で千円札を見つけたら、どんなに幸せでしょうか。そのお金で牛丼を食べて活力を得れば、仕事を見つけることもできて、ピンチから抜け出せるかもしれません。

 そういうときの千円は、オンラインゲームに課金するために、なにげなく使うときの千円よりも、ずっと貴重に感じられるはずです。

 そのときに数百円の牛丼が食べられることは、なんでもないときに最新のiPhoneを手に入れたことよりも、喜びのスケールは大きいかもしれません。

 要するに、金銭的に潤っているときよりも、困っているときのほうが、お金の価値を高く感じる、ということです。

■お金を「タイムスリップ」させよう

 誰しも人生の中で、潤っているときもあれば、困っているときもありますよね。

 変な話、「常に潤いまくっている」という人は、『パックン式 お金の育て方』は不要かもしれません。(よければ、読まなくていいから、何冊か買って友達に配ってください!)

やっぱり生きていく限り、きっと現実には、ほとんどの人に人生の中での浮き沈みはあると思います。僕だって子どもの頃は、貧乏生活でした。

 みなさんも「できれば貧乏生活を避けたい」というのが本心だと思います。多少の浮き沈みがあるのは仕方ないけど、できるだけ穏やかな波であってほしい……。

 そのためには、タイムスリップして、潤っているときの自分から、困っているときの自分にお金を渡すことが必要になります。

「タイムスリップなんてできないよ!」

と思うかもしれませんが、未来の自分に対してお金を渡すことは誰だってできます。

 たとえば、預金をすることも、未来の自分に向けてお金を送る行為です。

 今の自分がお金に余裕があるのなら、そのお金を、未来の自分のために取っておく。

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