しかし、当選後は維新の中でも不安の声が出ていたという。

 維新は、「身を切る改革」のキャッチフレーズで、国会議員に毎月100万円が支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の透明化を公約として掲げており、11月17日には、立憲民主、国民民主との野党3党で、使途公開と未使用分の国庫返納を義務づける歳費法改正案を提出した。

 だが、維新関係者によると、中条氏からはこの金額などについて問題ともとれる発言があったといい、党内で「発言に注意」と釘を刺された一幕もあったという。

 新人議員が質問に立つ場合、党の幹部らから厳しくチェックされることが一般的だ。中条氏の質問も、チェックはされていたという。

 しかし、新曲とディナーショーをPRするという通常あり得ない発言は、止めることができなかった。

「どうやら、時間が余ればと自分で差し込んでいたようです。中条氏の議員会館の事務所は、もともとマネジャーだった人が秘書について仕切っている。国会議員というより、芸能人的な感覚の事務所なんですよ。そういうところが、今回のような軽率な発言につながったような気がしますね」(前出・維新の国会議員)

 発言の翌日、16日、中条氏は国会内で、

「自分では、ラストディナーショーを芸能界最後として来年から新しい舞台でがんばらせていただきたいという話をしたつもりだった。そう(宣伝)とられた方には本当に不適切だと大変申し訳なく思っております。この場を借りて謝罪します」

 と陳謝した。

 維新の藤田文武幹事長は「発言は適切ではなく、口頭で厳重注意処分にした」と処分内容を説明した。

 中条氏の発言を各党は問題視し、議事録から削除が必要と批判している。与野党協議の上で、中条氏の発言は削除される見込みだ。

 維新は、代表として強い影響力を保っていた大阪市長の松井一郎氏が来春の任期満了での政界引退を表明。馬場伸幸代表に替わり、今後の党運営が不安視されていた。

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新人議員の教育が大きなポイントに