『パックン式 お金の育て方』より(イラスト/田渕正敏)
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 ゲームを始めるにあたり、まず僕らは住みたいエリアを決めます。「LA(ロサンゼルス)のおしゃれな街に住みたいな」とか「カントリーサイドでのんびり暮らしたいな」とか、何となく考えます。

 その次に行うのが、そのエリアで生活するための予算作りです。

「このあたりの家賃はどれくらいだろう」と調べて、さらに家具などの予算も見積もる。たとえば革張りのソファが欲しかったら、その金額を予算に加えます。

 でも、革張りのソファを買えるだけのお金がなければどうする?

 大丈夫。そんなときは「分割払い」も選べます。手数料がかかるけれど。

 生活費の予算を見積もったら、収入の予測も立てないと。ここでは職業選びが肝になります。

 たとえば建築家を選んだとしましょう。建築家は高収入な職業です。建築家になれば、都会で暮らすのも大丈夫そうだよね。

 ただ建築家になるためには、奨学金を借りて学校に行く必要があります。それに、働いて最初の数年間は給料が低い。だから、低い収入で奨学金を返しながら、生活ができるのかを計算する必要があります。

 この人生ゲームには、病気などのリスクも考慮されていました。

 日本のように手厚い公的医療皆保険制度はアメリカにはありません。なので、大病をすると大変です。せっかく生活が軌道に乗ってきたと思っていたら、先生が「みんなさいころ振って……。はい、1が出た人、突然の入院です!」という具合にハプニングが起きたりしました。

 医療費を支払うために、せっかく買った革張りのソファを手放さなくてはならないかも……。

 といった感じで、パーティなどでは絶対にやりたくない、すごくリアルな人生ゲームだったのです。

■日本の金融教育だって負けていない

 こういう超現実的なお金の教育は、日本ではまだ珍しいかもしれません。

 それでも、少しずつ変わってきているようです。

 では、僕が実際に取材した、日本の学校での金融教育の方法をご紹介いたしましょう。

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日本の金融教育って、実際どうなの!?