名古屋発スターダスト芸能3部所属の高校生アイドル6人組、チームしゃちほこが初のホールツアー【僕らのカラオケワンダーランド】の東京公演を12月14日に渋谷公会堂で開催した。
今年の夏にはアルバム『ひまつぶし』をリリースし、初の東京・日本武道館での単独公演を大成功に収めた彼女たち。続いて挑んだのは、初のホールツアーだ。4会場と公演数は少ないものの、過去のツアーを上回るキャパシティが用意され、2014年にチームしゃちほこが尾張名古屋からどれほど勢力を拡大したのか試されるツアーでもあった。ふたを開ければ、メンバーからもファンからも「足りない！物足りない！」との声が聞こえるようにツアー全公演はソールドアウト。最終公演まで各会場で熱狂を生み出してきた。
前日に開催されたフリーイベント【チームしゃちほこ渋谷ジャック】の熱気も冷めやらぬファンたち。早々から渋谷公会堂に集結し、各々が開演前からツアーファイナルへの準備を着々と進めていく。また、この日はニコニコ生放送で生中継も実施され、多くのファンが見守る中の公演となった。
開演時間を少し過ぎた所でブラーの「ソング2」が流れ、場内は暗転。ステージから下げられた幕に6人のシルエットが大きく映し出される。幕が降り、メンバーの姿が現れるとフロアから大歓声で迎えられる。まずはこのツアーで初披露となった新曲「シャンプーハット」でスタート。ファンもメンバー以上のボルテージで踊って作り上げていく彼女たちのライブ。新曲とあってツアー序盤ではじわじわと踊り返していたファンたちも、自らの振りを固めたかのように、ステージ上のメンバーと共振する。続けてこのホールツアーからダンスもアップグレードした「colors」からノンストップでシングル曲「いいくらし」「首都移転計画」「愛の地球祭」を披露。頭上でペンライトを揺らし、飛んで、跳ねてとフロアも大忙し。
“こんにちゆー！”からそれぞれの自己紹介を終え、「ホールツアー最終日なんです！」とこれまでを振り返りつつ、話題は昨日開催したフリーイベントに。「寒かったけど楽しかったー！」とその出来に満足げの表情。更にその模様が各新聞に取り上げられたことを喜んでいると、唐突にベル音が鳴り、坂本遥奈がサングラスを着用。富永TOMMY弘明のパートを坂本が担当する「サマラバ」へ突入し、冒頭で人工ディレイも効かせ、サビでは会場全体でタオル回しと大合唱を巻き起こした。
続いて「東京といえばー？」と名物を尋ねるも、あり過ぎて答えに困るオーディエンス。ちらほらと出てくる“東京ばなな”や“スカイツリー”に「そうそう！」と反応しつつ「しゃちほこが好きなのはー？」と問えば、もちろん答えそのまま「ピザです！」へ。怒号のような“うりゃおい”コールが響き、「ごぶれい！しゃちほこでらックス」を披露。秋本帆華が「やっぱりカラオケと言えば椅子が無いとね。」と長椅子が用意され、客席も着席し、「赤味噌Blood」と「エンジョイ人生（アコースティック・バージョン）」をしっとり披露。これまでにないアレンジと演出は彼女たちの新しい魅力を引出し、客席もペンライトで美しいウエーブを作って見せた。
ルーレットでセットリストを決定する『僕らのワンダールーレット』コーナーでは、最終公演とあって秋本が「これ終わったら捨てちゃうのかな…？」と心配していると、他メンバーから「持って帰ってもいいよ！」と勧められ「それはちょっと…」と言葉を詰まらせる場面も。毎回、メンバーも知らされない楽曲が仕込まれていた本企画だが、今回は無し。その変わりに最新シングル「シャンプーハット」に収録された新曲「It's New 世界」を初披露。リリースから間もない同曲だったが、会場全体で“オーオーオ！”の合唱も成功。目まぐるしくポジションチェンジが行われるダンスにも大盛り上がりとなった。そのままルーレットで決定した鉄板曲たちを次々披露。「乙女受験戦争」でのウーハーを効かせたアレンジや、“渋谷からこんにちゆ”でフロアを腰抜けにした「トリプルセブン」、ドリンクセットの付いた「いただきニッポン！～おみそれしましたなごやめし～」、最早そこそこではない熱狂を見せる「そこそこプレミアム」、締めくくりは「アイドンケア」でファンもお姉さんグループの振りをマスター。
盛り上がりも最高潮に達した所で、フロントから時間終了を告げる電話が。前の大阪公演で日本エレキテルのネタを拒否された（http://bit.ly/13t5b1W）安藤ゆずは
「もう一回！」とめげずに「いいじゃないのー」。するとスタッフが「ダメよーダメダメ！」と一発で返してくる快挙。「成長してる！！！！」と興奮気味にはしゃぐも時間は無常。本編ラスト「カントリーガール」を披露し、メンバーはステージを後にする。
本ツアーで生まれた“アンコール”ならぬ“延長コール”に応え、ステージ上手、下手、中央からメンバーが再登場し、このツアーで初めての「恋人はスナイパー」をアクロバティックなダンスを全力パフォーマンス。続けて秋本の「皆さん、歌って、効いて下さい」とおっとり曲紹介で「明け星」を披露。フィナーレを前にメンバーがこれまでのツアーを振り返る。
坂本遥奈は「最初の2日間は車椅子だったんですけど、すごく“楽しい！”って思えました。いつもより低い目線だったから気づけたこともあります。【鯱詣】まで2週間、今回のツアーで学んだことを生かしつつ、皆さんと一緒に踊れて“やっぱりしゃちだな”と思ってもらえたら嬉しいです。ありがとうございました！」と怪我で車椅子参加となってしまった序盤を振り返り、咲良菜緒も「4公演って少ないけど、会場が大きくて、それぞれ違って楽しかった。このツアーファイナルが目標ではなく、【鯱詣】を目指して登ってきました。皆さんとライブをして学べて楽しめたホールツアー、ありがとうございました！」と【鯱詣】への意気込みを語る。
伊藤千由李は「2014年はどうでしたか？ちゆも色んなことがありすぎて楽しかったかもわからない（笑）でもそーゆーのが生きてる証で！辛いことや悲しいことがあっても、しゃちの現場があるから頑張れると言ってもらえてうれしいです。頼ってるね。頼ってるから頼っても良いですか！これからもライブで一緒に通じ合っていきましょう！」と感極まって涙を流す。「いい感じで、やりづらい（笑）！」とつっこみつつ、安藤ゆずは「今日は楽しめましたか？でもゆずが一番楽しんだ！楽しむというセンターを取り合うんだ！これからもゆずぽんスマイル受け取る準備できてますか！？」とアピール。
大黒柚姫は「武道館後のフリーライブで調子にのって“成長したの見にこいや！”って言ったけど、どこ成長しよう？って困りました（笑）でも、プライドもあるし、頑張りました。喋る役回りも考えて、色んな人の動画を見て、スベる人になろう！と思って。もっと喋る大黒柚姫を見てもらいたいと思います！」と独自の成長結果を報告。秋本帆華は「しゃちほこって、踊るじゃないですか？メンバーもお客さんも他のアイドル現場では考えられないくらい。（ステージを）観てないでしょ？アンセムの時とか（笑）この習慣というか文化というか。その方向性、いいと思います。初めてしゃちを観に来る人も、みんなのキレッキレの踊りを見てマネするわけですよ。全国で見たいよね。ガイシでも見たいもん。しゃちはこれからも汗かいて楽しんで踊って“あー筋肉痛！”とか言いながら帰る現場にしたいです！」と目標の“笠寺”こと日本ガイシホールにも触れコメントを締めくくった。そして、ラストは「抱きしめてアンセム」で筋肉痛覚悟のキレッキレダンスをオーディエンスと一体となってパフォーマンスし、ツアー最終公演を飾った。
◎【僕らのカラオケワンダーランド】
2014年12月14日（日）東京・渋谷公会堂 Set List
01.シャンプーハット
02.colors
03.いいくらし
04.首都移転計画
05.愛の地球祭
06.サマラバ
07.ピザです！
08.ごぶれい！しゃちほこでらックス
09.赤味噌Blood
10.エンジョイ人生（アコースティック・バージョン）
11.It's New 世界
12.乙女受験戦争
13.トリプルセブン
14.いただきニッポン！～おみそれしましたなごやめし～＋ドリンクセット
15.そこそこプレミアム
16.アイドンケア
17.カントリーガール
En-1.恋人はスナイパー
En-2.明け星
En-3.抱きしめてアンセム
ラリー遠田
沖昌之
小島よしお
