山海の幸が旬を迎え、全国から収穫の便りが届くこの季節。サンマやブリなど脂ののった海の幸が食卓を彩る日が増え、油断すると食べ過ぎてしまうこともしばしばで、「太りやすい年末年始までにダイエットをしておきたいのに……」というダイエッターにとっては試練の季節でもあります。
ただ、近年の研究によって、日常的に魚を食べ続けるとダイエット効果が期待できることが分かりつつあります。そこで今回は早稲田大学大学院で運動生理学を学び、ダイエットコーチとしてYouTubeでも活躍するパーソナルトレーナー・計太さんが、ダイエッターが「魚を食べるべき理由」について解説します。
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そもそも低カロリーで良質な動物性たんぱく質を含んでいる魚介類は、ビタミンや必須ミネラルなど栄養素が豊富な食材として広く知られています。「魚は体にいい」という漠然としたイメージはもちろん、「肥満を防止してくれる」「血液がサラサラになる」といった具体的な健康効果を挙げる人も少なくないでしょう。さらに、最新の研究では魚に含まれる栄養素がエネルギー代謝にかかわる可能性が注目されています。魚に含まれる栄養素が、どのような仕組みで代謝機能を高め、ダイエット効果につながる可能性を持っているのか。そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。
■エネルギー代謝にかかわる「ベージュ細胞」
ダイエットを進める上で、なぜ魚を食べたほうがいいのか。結論から言えば、脂肪細胞の一つである「ベージュ細胞」を増やすためです。
私たちの体内には大きく分けて2種類の脂肪細胞が存在します。一つ目は白色脂肪細胞で、体内の脂肪細胞の大部分を占め、ダイエッターが「減らしたい!」と願っているものです。白色脂肪細胞は皮下や内臓に分布し、余分なエネルギーを中性脂肪として蓄積します。二つ目は褐色脂肪細胞で、活性化することで脂肪を燃焼してエネルギーを作り出す働きを持っています。主に肩甲骨のあたりに分布し、成長とともに減少していくのが特徴です。
ベージュ細胞はその中間的な存在で、褐色脂肪細胞ほどではないものの、エネルギー代謝にかかわっていると考えられていて、量を増やすことでダイエット効果が高まる可能性があります。