スタンドで盛り上がるサポーターら。後方の丸い穴が冷気を送り出す送風口
スタンドで盛り上がるサポーターら。後方の丸い穴が冷気を送り出す送風口
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 いよいよ決勝トーナメントが始まったW杯。日本も間もなく、ベスト8をかけてクロアチアと対戦する。筆者は、グループリーグのコスタリカ戦とスペイン戦を観戦した。スペイン戦では事前の大方の予想を覆す試合展開で、最高に盛り上がった楽しい観戦になった。ただ現地では、試合以外でも想定外の出来事が多く、困ることもちょくちょくあった。中東なのに「寒さ」対策、アルコールは飲めない、セキュリティーチェック……。これからW杯を楽しもうとする人には参考にしていただきたい。

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 日本代表の決勝トーナメント進出で盛り上がるW杯。これまで1990年のイタリア大会をはじめ、筆者がW杯を観戦するのは今回が5大会目。はじめて中東の灼熱(しゃくねつ)の国、カタールで開催されるとあって、暑さ対策が懸念されていた。

 筆者が観戦した、日本代表のグループリーグ2試合目のコスタリカとの対戦は、現地時間午後1時のキックオフとあって暑さを覚悟して出かけた。カタール・ドーハ国際空港を一歩出ると、中東らしいムッとした暑さが全身を覆った。気温を確認してみると、30度くらいだという。

 スタジアムに到着したのは午前10時前だったが、すでに大勢のサポーターがいた。早めに食事を済ませて、入り口に並ぶ列に加わったが、持参したペットボトルの水はあっという間に尽きてしまった。

 そうして、ようやくスタジアムに入ると、なんと予想外の“ひんやり”感。チケットの座席番号は最上段だった。この後方には巨大なエアコンがずらりと並び、スタジアムに冷風を流し込んでいたのだ。その冷気の量も半端じゃなかった。半袖のシャツでは耐え切れず、持参したウィンドブレーカーを羽織らないと風邪をひきそうなくらいの肌寒さだった。

 さて、スポーツ観戦といえば、ビールの1杯や2杯くらいは飲みながら、気分も熱く盛り上げて応援したいところ。ただ、厳格なイスラムの国、カタール。酒は持ち込み禁止で、普段もホテルなど特定の場所でしか飲めない。さらに、当初はスタジアム内では販売される予定だったビール。W杯のスポンサーにもアメリカのビールメーカーが加わっているが、開催直前に販売禁止となってしまった。

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