そもそも秋篠宮さま自身も、「わたしはやらない」と発言したように、宮内庁長官をはじめとする幹部の中に、YouTubeなどの動画サイトやSNSで情報を発信したことがある人間がどれほど存在するのだろうか。

 秋篠宮さまの「SNSへの肯定」は確かに画期的なことだ。

 ただし、フェイスブックもインスタグラムもツイッターも、それぞれ得意不得意な分野がある。

「何を目的として発信するかを明確にしないまま、十把一からげにSNSとくくっている点は危うさを感じます。SNSを、ご自分たちが正しいと考える情報を『発信』するツールとして捉えている点にも、ズレを感じます。たしかに、お堀の中が昔から変わらないことに良い面もあります。しかし、SNSについてもガラパゴスのままでは、その活用方法を誤る可能性もあるのではないでしょうか」

 森教授は、そう危惧する。

 世情が不安定な時ほど、皇室への関心は高まる。かつてないほど国民の視線が注がれている。

 秋篠宮さまもその可能性に触れたように、若い皇族方が匿名によるSNSで発信をしている、というのはよく耳にする話だ。

 次世代の皇族方は、SNS社会にどう向き合い、国民との信頼を築いていくのだろうか。(AERA dot.編集部・永井貴子)