「ボールの強さや、真ん中寄りかポスト寄りかなどの違いを考慮しても、4割というのはかなり高い確率だと言えます。早く動きすぎるとキッカーに読まれてしまいますが、キーパーにとっては一つの根拠になる数字だと考えます」(滝川さん)

 各ゾーンの成功率を見ると、

・左上  右足76回で成功76 左足12回で成功12回(いずれも成功率100%)
・中央上 右足41回で39回(95・1%) 左足9回で成功9(100%)
・右上  右足55回で成功54(98・2%)左足11回で成功11(100%)
・左下  右足344回で成功274(79・7%) 左足46回で成功36(78・3%)
・中央下 右足67回で成功48(71・6%) 左足10回で成功7(70・0%)
・右下  右足233回で成功195(83・7%) 左足58回で成功45(77・6%)

 となっている。

 滝川さんはこう締めくくる。

「Jリーグのデータを見る限り、練習によって上に蹴る技術力を高める必要もあるでしょう。また、これは難題ですが、外すのが怖いというPK特有のプレッシャーをどうクリアしていくかも重要になります。特にW杯のような大会では様々な方法でPK戦に対する準備をして臨んだ方が、勝ち抜ける確率は高まると思います」

 南アフリカ大会に続き、PKに涙をのんだ日本。「PK力」の獲得にどう向き合っていくのか、今後に注目が集まる。(AERA dot.編集部・國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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