年内で歌手活動をいったん休止する歌手の氷川きよし。休止前ラストとなる公演「きよしこの夜」が12月13日・14日、東京国際フォーラムで開催された。筆者も「これで氷川きよしは見納めかも」とプライべートで足を運んだ。そこには「氷川きよし」を終えて、未来への階段を上ろうとする姿があった。
【写真】やんちゃさが残る「演歌界のプリンス」だった2002年の氷川きよしはこちら!
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「氷川きよしスペシャルコンサート2022~きよしこの夜vol.22」は13日、14日全4公演で合わせて1万8000人を動員。毎年この時期恒例のクリスマスコンサートで、筆者は03年に「きよしこの夜」を初めて鑑賞した。
公演開始定刻になると会場は暗転。ペンライトがまぶしいほどに輝く客席に向かって映し出されたのは、氷川きよしのデビューの年・2000年から現在までの映像だった。「わぁ……」コロナ禍で歓声は出せないものの、客席からは小さな声が思わずもれる。
過去の「きよしこの夜」の映像もあり、当時を思い出しながら、「きよしくん、若いー!」「あの衣装、懐かしい!」と楽しんだ。20年、21年……と続いていくと「氷川きよし」が終わってしまうんだという寂しさが急に込み上げてきた。
いよいよ氷川きよしがステージに登場! コロナ以前は、「キャー!」という割れんばかりの歓声が会場を包み込んでいたが、声出しはNGなものの観客みんながフワっと浮き上がった感じがした。ブルーのスパンコールが輝くローブ風ジャケットに身を包み、00年のデビュー曲「箱根八里の半次郎」から順に「大井追っかけ音次郎」「きよしのズンドコ節」「星空の秋子」と演歌ラインアップを一気に歌い上げた。
着流しやはかま姿と2度の衣装チェンジをし、「氷川きよし業をやらせていただいたKiina(キーナ)でございます」と前半ラストのMCで語っていたが、活動休止に入ると「過去」となっていくデビューからの曲を大切に箱にしまっているようだった。
「後半はいまの思いを伝えられる歌を選んだ」と、ステージで本人が語ったように、自ら作詞した曲や新たなファンを獲得したといわれている「ドラゴンボール超」オープニング曲である「限界突破×サバイバー」などを披露した。