「本社がアメリカやヨーロッパにあり、われわれのようなNPOに寄付したり、物資のサポートをするプロフェッショナルチームがあったりします。あらかじめ社会貢献のための予算があって、それを有効に使いなさい、とトップから言われたり、日本法人はどんな活動をしているの、と聞かれたりするそうです」
日本の企業や団体ももやいに食料品を提供している。パルシステム生活協同組合連合会やモスバーガー(モスフードサービス)などだ。
「食品ロスの削減など、SDGsの盛り上がりによって社会貢献の意識が徐々に強まっているのを感じます。あと、食料品を渡す相手の顔が見られるのはうれしい、という声を結構聞きます。並ばれる方は商品としては買えないかもしれないけれど、こういったかたちで提供したものを社員の目の前で喜んでくれる。すごくいい体験になったとおっしゃってくれる企業もあります」
そんなこともあって、大西さんは協力企業に積極的に声をかけ、配布の現場に社員を招いている。
■桃が届いた衝撃
ちなみに、配布する食料品のなかでも特に喜ばれるのは、果物だという。
「パルシステムは毎週、果物を届けてくれるんですが、めちゃくちゃありがたいです。生活が苦しい方って、米とか、おなかにたまるものは買いますが、果物には手を出しづらい。ちょっと高級な桃が届いたときには衝撃を受けました。われわれも欲しいと思うような桃です(笑)。もちろん、全部配りました。果物を受け取ると季節も感じられますし、心が和みます」
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)