自民党の甘利明元幹事長
自民党の甘利明元幹事長
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 岸田文雄首相が打ち出した防衛増税についての議論も収まらないうちに、今度は消費税増税を念頭においた発言が、自民党元幹事長の甘利明氏から飛び出した。負担に次ぐ負担に、国民はいつまで耐えればいいのか。なぜこのタイミングでその発言が出るのか。真意は? 自民党関係者らはこの発言をどう受け止めたのか。

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 岸田文雄首相が「防衛増税」を視野に入れるなか、1月5日、テレビ番組に出演した自民党前幹事長の甘利明氏は、

岸田首相は少子化対策についても異次元的に新たな対応をすると言っている。消費税も含めて、論議しなければならない」

 と消費税増税に言及した。

 そして、さらに踏み込み、

子育ては国民に関わることで、幅広く支える体制を取らねばならない」

 と述べ、岸田首相が唱える防衛増税については、

「いつから増税を実施するのかである」

 とすでに自民党内では決着済みという認識まで示したのだ。

 この発言にさっそく反応したのは、大阪府の吉村洋文知事

 SNSで、

「少子化対策の為に消費税増税? 勘弁してよ。一体我が国の国家運営はどうなってるんだ? 逆だよ、逆。減税」

 とコメント。

 少子化対策で実績をあげている、兵庫県明石市の泉房穂市長は取材に、

「国債など発行できない明石市は、予算のやりくりで子ども関連予算を倍増させています。その結果、人口、出生率は増加し、経済も活性化しました。明石市でできたことがなぜ国でやれないのか。増税しなければ少子化対策ができないと、政治家と官僚が増税ありきの思い込み」

 と甘利氏の言動を批判した。

 岸田首相は2020年10月の就任当初、子ども関連予算の倍増を公約としていた。

 しかし、実際は子ども関連予算には見向きもせず、昨年12月、突然、防衛増税をぶち上げた。

 自民党のある閣僚経験者は、

「新しい年に入って、あまりに防衛増税ばかりがクローズアップされることもあってか、岸田首相は急に子ども関連予算倍増を復活させた。そこに、甘利氏が消費税増税を言い出した。税金をアップさせるのが政治家の役目と言わんばかりに。春に統一地方選と衆院補欠選挙という大きな“審判”があるのに、防衛増税で批判される中での甘利氏の消費増税発言は、火に油を注ぐようなものだ」

 と厳しい見方だ。

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防衛増税も少子化対策の消費税増税も自民党内では決着済み?