令和の皇室も5年目を迎えた。しかし、皇位継承の危機的状況は何も解決していない。どのような状況にあるのか「10年後」を想像してみると、問題点がまざまざと浮かび上がる。
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「皇室の将来を考えたとき、5年後がひとつの節目となります。そして10年後の皇室の姿を現実として認識する想像力が、日本には必要です」
そう話すのは、皇室の制度に詳しい、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんだ。
令和皇室も4年が過ぎようとしていた2022年の秋から初冬にかけて、世間をざわめかせる出来事があった。
天皇陛下の健康問題だった。天皇陛下が受けたMRI検査で前立腺の肥大が認められたため、組織検査をすると発表された。
12月2日。
【速報】「天皇陛下の前立腺組織検査 異常認められず」
2日間にわたる東京大学医学部付属病院(東京都文京区)での検査入院の結果を受けて、メディア各社は「異常認められず」の速報を打った。
宮内庁でも安堵(あんど)の声が漏れたという。
「念には念をという意味での検査ではありましたが、ほっとした空気が広がりました」(宮内庁関係者)
天皇陛下の健康問題は、重大事項である。
令和の天皇陛下が即位したとき59歳。奈良時代に至る公式の歴史書『続日本紀』に記載がある文武天皇以降では、60歳で即位した光仁天皇(奈良時代)に次いで2番目の高齢即位となった。
とはいえ、平成の天皇として55歳で即位した上皇さまと美智子さまは60代、70代で膨大な公務をこなし、国内外を訪問している。
先の小田部さんは、こう話す。
「平成の天皇は、69歳で前立腺がんの手術をなさるなど健康面が思わしくない時期もありました。しかし、むしろ60代から70代が天皇として円熟味を増した時期でもありました。即位してから15年、70歳になる年に全47都道府県への訪問を達成。国内外を精力的に訪問します。78歳で心臓のバイパス手術を受け、無理を押してではありましたが3カ月後にはエリザベス女王の招きで訪英も実現しました」