基本的に、お金持ちは物をたくさん所有しようとはしません。
例えば、その社長さんの買い物の仕方はこうです。まず、買い物をする日と店を決めます。「このセットと、このセットと……」と一度に20着くらいをセットアップで買って、その20着分のセットをローテーションで着ていくのです。それをしばらく繰り返したら、全部手放すんだそうです。
要するに、新しいものを買ったら、古いものを捨てるの繰り返し。コーディネートを考えて着回す、というようなことをしません。
なかには洋服が大好きでセンスに自信があり、コーディネートが得意なお金持ちもいるかもしれませんが、多くの経営者は、「自分はセンスがないから、人に選んでもらう」と言います。自分ができないこと、得意ではないことは人に任せ、そこで悩んだり、迷ったりする時間を極力省こうと考えるのです。
相手をいい気持ちにする服、自分をいい気分にさせる服、自分の個性やキャラクターを際立たせる服など、身なりへの気遣いはとても大切にし、工夫もしていますが、多くは「人に対しての気遣い」であり、「服へのこだわりや所有欲」ではないのです。
役目を果たし終えた服はどんどん手放し、新たな服で気持ちを一新させる。その判断と行動が早いのが、お金持ちの特徴です。ですから、もしも家に2シーズンくらいまったく着ていない服があったら、どんどん捨てた方がいいかもしれません。