同じく昨シーズンのオフに進路が注目されていた日本人メジャーリーガーの有原航平(前レンジャーズ)はソフトバンク、澤村拓一(前レッドソックス)はロッテに移籍と国内復帰を選択。そんな中でも筒香は米国でプレーすることに“こだわり”は見せ、マイナー契約からメジャーへ昇格する道を選んだ。

 なんとかメジャーで結果を残そうとする姿勢を支持する野球ファンは多いが、置かれている状況は厳しいと言わざるを得ない。招待選手として参加する春季キャンプでは1日も気の抜けない状況が続くはずだ。

「春季キャンプから相当な結果を求められる。31歳という年齢を考えても、マイナーの3Aの選手が残すような数字では厳しいでしょう。結果次第では早期のタイミングでリリースの可能性もある」(大手マネージメント会社関係者)

「能力値やOPS(長打力+出塁率)などの評価指数データは、各球団が詳細に把握している。そうなると目に見える形で結果を残し、インパクトを与えることが重要。打席数が少ない春季キャンプでは、極端な話、打率5割超、5本塁打など、打ちまくることでしか先は見えなくなる」(在米スポーツライター)

 再びメジャーでプレーするチャンスを掴んで欲しいが、マイナー契約からメジャーに這い上がろうとした日本人選手が、米国で野球の厳しさを味わった例も少なくない。特にメジャーで実績がある選手でなければ、「実戦では期待できない」と判断された瞬間に解雇されてしまう可能性もある非常に過酷な世界だ。

「投手と野手の違いはあるが小林宏之が印象的だった。オープン戦での登板結果はそこまで悪くなかったがインパクトを残せず、数試合の登板で3月序盤に解雇された。招待選手はスタート地点がメジャー契約選手より遥か後ろにある。ヨーイドンともに猛ダッシュ、結果を出さないといけない」(在米スポーツライター)

 日本ではロッテなどで活躍した小林は、2013年の2月にエンゼルスとマイナー契約を結び、招待選手として春季キャンプに参加。オープン戦では3試合に登板し、4イニングを投げ、2失点という成績だったが、契約からわずか2週間あまりで解雇となった。

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コロナ禍もあり「メジャーへの昇格競争は激化」