まだ初々しさの残るころのアンタッチャブル
まだ初々しさの残るころのアンタッチャブル
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 山崎弘也と柴田英嗣の2人から成るお笑いコンビ・アンタッチャブルが、4月からゴールデン番組のMCを務めると報じられて話題になっている。過去に単発の特番として4回放送された『パンドラTV』(関西テレビ、フジテレビ系)がレギュラー化されるのだという。

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 このニュースを聞いたとき、コンビでゴールデンの看板を張れるアンタッチャブルの「格の違い」を改めて感じた。今の時代に2人揃ってゴールデン番組ができるというのは、並大抵のことではない。

 よく知られているように、柴田はかつて不祥事が原因で謹慎処分を受けた後、芸能活動ができない状態が長く続いていた。テレビなどに出るようになってからも、コンビとしては実質的な活動休止状態にあり、2人が共演することはなかった。

 2019年11月放送の『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ)で、彼らは久々の共演を果たし、コンビとしての活動を再開した。その後、それぞれが活躍する一方、コンビとしても徐々に仕事が増えていった。

 一昔前までは、お笑いコンビはコンビ単位で活動することが一般的だった。しかし、ある時期から「バラ売り」が始まり、コンビの片方だけが単独でテレビに出ることの方が多くなっていった。

 それを象徴するのがウッチャンナンチャンである。彼らはある時期まではコンビとして数々のレギュラー番組を持っていた。しかし、最近では個々の活動がメインになっていて、共演する機会もほとんどなくなっている。

「バラ売り」が増えている理由の1つは、テレビの制作費が年々減っているからだろう。二人一組で呼ぶよりも、その番組の企画に合っている1人だけを呼ぶ方がコストを削減できる。番組の予算が限られている以上、それは合理的な判断であると言える。

 また、ベテラン芸人がMCを務めるようなバラエティ番組に芸人が呼ばれる場合、MCがツッコミ役を兼ねることになるので、コンビの中のボケ役の芸人だけがいればそこでやり取りが成立してしまう。そのため、コンビのツッコミ担当の側には声がかからなくなる。

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コンビでテレビに出る芸人はいまや貴重