雅子さまのお気持ちや体調は、お誕生日に寄せられるお言葉や「歌会始の儀」で披講される和歌からくみ取るか、こうしたお召し物から伝わってくるもので推測の域を出ないが、「白」そのものが持つ意味から青木氏はこう読み解く。
「白は色の中で最も明るく、一般に純粋、清純、といったイメージです。日本ではシロは(色名のうち、クロ、アカ、アオと並んで)最古のものの1つです。日本に限らず、白はどの民族にとっても最も基本的な色彩語と考えられています。西洋でも、白は純潔・完全性・絶対性を象徴するといわれています。白は何も隠さない色。白旗は休戦の信号であり、平和を意味するのです。また、対外的に考えると、白はどんな色が相手であっても、調和をとることのできる色です。そして様々な色に染まることもできます。相対する人や物事と調和をとり、融合してゆくことのできる、そんなお気持ちも、もしかしたら雅子さまが『白』をまとうことに込められているかもしれません」(青木氏)
カラフルで凝ったデザインをお召しの皇太子妃時代もすてきだったが、皇室に入られて人生の半分の年月を過ごされたいま、白を潔くまとわれる雅子さまの姿は明るく差し込む希望の光のようだ。(AERAdot.編集部・太田裕子)