今日6月1日は『気象記念日』。記念すべきこの日に、日本で唯一の気象神社がある東京・高円寺の氷川神社で執り行われた例祭のようすをお伝えします。

気象神社で執り行われた例祭のようす
気象神社で執り行われた例祭のようす

6月1日はなんの記念日?

今日6月1日は気象記念日。今から140年前の1875年(明治8年)のこの日、東京・赤坂区葵町に東京気象台(現気象庁)が設立され、気象と地震の観測が始まったことを記念して設けられました。なんと、当時は1日3回の気象観測を毎日たった一人で行っていたそうです。
ちなみに、その9年後の1884年(明治17) 年 6 月 1 日には毎日 3 回の全国の天気予報の発表が開始されました。初めての天気予報文は
「全国一般、風ノ向キハ定マリ無シ。天気ハ変ワリ易シ。但シ雨天勝チ。」
つまり、
「今日は全国的に天気が変わりやすく、雨のところが多くなるでしょう。風の向きも変わりやすいでしょう。」
ということ。当時は予報をするための資料も技術もほとんどなかったため、とてもざっくりした内容でした。
それから140年たった今では、都道府県や市町村などの細かいエリアで、数時間単位での天気予報が発表されるようにまでなりました。今では、天気予報は生活にとって欠かせないものになっています。

東京には、日本で唯一の気象神社がある!

東京・JR高円寺駅南口から徒歩4分の氷川神社に、日本唯一という珍しい気象神社が境内末社として祀られています。
この神社の御祭神は、陸軍気象部にあった「八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)」。当時、勤務前に気象観測員が気象予報の的中を祈願していたと言われています。現在でも、気象予報士試験の受験生や、イベントの成功を祈願する企業の方々、大切な日の天気を願う人達がこの神社を多く訪れています。

気象神社境内
気象神社境内

年に一度の例祭に参列・当日の様子をお届け

そして今日の14時、私たちは、この気象神社にて執り行われた例祭に参列してきました。祝詞の後に、参列者による玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われ、私たちも安定した天候と、気象業務のさらなる飛躍を願って奉納してきました。

玉串奉奠のようす
玉串奉奠のようす

「気象記念日」によせて、私たちが願うこと

また、気象神社に行ったら見てほしいのが、このお守りと絵馬。
お守りには晴れ:雨:曇り=8:1:1の割合でお天気マークが描かれていますが、その天気になってほしいとお願いされる方の割合に合わせたことが由来して、このようなデザインになっているそう。
そしてこの下駄の形をした絵馬。子どものころ、「あ~した天気にな~れ」と、靴を飛ばして天気を占った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。この絵馬の形はまさしくそれに由来しています。
昨年末の「今年の天気を表す漢字」のアンケートで1位に選ばれた文字は、気象予報士が『災』、一般の方は『雨』という結果でした。選ばれた文字が表すとおり、2014年は広島市土砂災害で74名、御嶽山噴火で57名(2014年10月現在)の方が亡くなられるなど、忘れてはならない自然災害が多く発生した年でした。2015年も間もなく本日折り返し地点を迎える訳ですが、これから大きな災害が起こらないよう、私たちも絵馬に祈願してきました。
一方、「脱!雨男・雨女」とユニークなものや「結婚式が晴れますように」と幸せな願いが込められた絵馬も多数見られ、天気への様々な願いを込めて、多くの方ががこの神社を訪れているようです。気象予報士試験に挑戦される方や、天気を神頼みしたい日がある方は、是非一度この気象神社に訪れてみてはいかがでしょうか。

気象神社の下駄の絵馬(左)とお守り(右)
気象神社の下駄の絵馬(左)とお守り(右)