化学放射線療法は通常、放射線を30回照射するため、1カ月半ほどかかる。照射は通院でも可能だが、途中でおこなう抗がん剤治療は入院が必要だ。

「食道の近くには肺や心臓があるので、放射線治療をすると頻度は低いものの、放射線肺臓炎や心臓障害が起こることがあります。IMRTを使うことでこれらのリスクを減らせますが、粒子線治療であればさらに減らせる可能性があり、臨床試験が進められています」(同)

週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2023』より
週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2023』より

 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2023』では、全国の病院に調査を実施し、がん放射線治療の患者数などの実績を掲載しているので、こちらも参考にしてほしい。

(文/谷わこ)

【取材した医師】

広島大学病院 放射線治療科 教授 永田 靖 医師

※週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2023』より