時速80キロでもかなりのスピードですが、実はクロマグロよりはるかに速いスピードを誇る魚がいるんです。
その名はバショウカジキ。聞きなれない名前かもしれませんが、体長2~3メートルにも達する大型の回遊魚で、他のカジキと同じく上のあごが長く鋭く伸びています。
そして一番の特徴は、大きな背びれ。普段は背中の上部にたたまれて収納されていますが、広げると帆船の帆のように大きく広がります。その姿から、英語では「セイルフィッシュ」と呼ばれています。日本語名のバショウカジキは、広げた背びれが、バショウの葉に似ていることからつけられたと言われています。
驚くのはそのスピード。なんと陸上のスピード王・チーターに匹敵する時速120キロものスピードで泳ぐことができるそうです。水の抵抗がある水中でそんなスピードで泳げるなんてすごいですよね。その他、マカジキやメカジキといった他のカジキ類も時速100キロ程度で泳げるスピード自慢なんです。
もちろん、こちらも餌を追うときなどの瞬間的なスピードですし、最近では「実はもっと遅いのでは」という研究結果もあるようですが……。
そして、クロマグロはもちろん、カジキ類も食べてもとても美味しいんです。早く泳ぐために筋肉が発達しており、よくしまった身で食感と脂の乗りのバランスがいい感じです。くら寿司では、カジキのお寿司も販売していますので、ぜひ一度味わってみてください。
ちなみに、泳ぐのが遅い魚の代表としてよく挙げられているマンボウですが、普段は時速2~3キロと、人が歩くより遅い速度で、ゆらゆらと漂っている感じですが、本気を出すと時速9キロ程度で泳ぐことができるそうです。
のんびりしたイメージですが、そこはやっぱり魚。その気になればオリンピックで金メダルを取れる速さで泳ぐことができるんですね。
※AERAオンライン限定記事
○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2019年11月から、執行役員 広報宣伝IR本部 本部長