離乳食教室をしていると「うちの子、離乳食を食べるときのお行儀が悪い」と相談を受けることがあります。親からすると、将来、マナーよく食事できる人になってほしい気持ちがあります。今回は、いつ頃から食事のマナーを伝えていくのか?離乳食期の赤ちゃんには必要なのか?を考えます。
●赤ちゃんに食事のマナーのしつけは必要?
食事のマナーと言えば、食べこぼさない、集中して食べる、スプーンやお箸を正しく使う、姿勢よく食べるなどいろいろあります。離乳食を食べるのは、5カ月~1歳半くらいの赤ちゃんです。この時期の赤ちゃんに食事のマナーをしつけよう!と頑張ってみたところで、正直なところ身につきません。身につかないどころか「しつけよう!」と頑張るけれど赤ちゃんは言うことを聞かず、親はストレスが溜まり、離乳食の時間を苦痛に感じてしまうかもしれません。ですので、離乳食時に食事のマナーをしつけようと思わなくて大丈夫です。
保育所では、まずはあいさつからスタートします。食事前の「いただきます」と食後の「ごちそうさまでした」。この2つのあいさつを習慣にするのですが、せっかくなので、サッと流れでするのではなく、座って手を合わせて丁寧に「いただきます」とあいさつをしてみましょう。本格的に食事のマナーのしつけを考えるのは、言葉の理解がだんだん深まってくる2歳以降で十分です。
●よくある4つの困った食事の行動
とはいえ、親にとって「これは行儀が悪いんじゃないの?」と思うこともあります。例えば、食べ物をグチャグチャにして遊び食べをしたり、立ち歩いて食べたり、スプーンで机をガンガンたたいたり。こんな時、保育所でしている対応方法です。
(1)食べ物をグチャグチャにして遊ぶとき
離乳食後期(9~11カ月)以降になると、自分で食べ物をつかんで食べる姿が見られるようになります。手づかみして口の中に入れてくれればいいけれど、その手は口に行かずずっとお皿の中をかき混ぜている。食べる気配はゼロ。赤ちゃんの身体と周りはどんどん食べ物だらけになっていく。なんて時期があります。この時の赤ちゃんは、食べ物の色、におい、感触などを感じながら確かめています。食べ物を触る行動は成長過程で通る道なので、気にしなくて大丈夫。この時赤ちゃんは、にんじんと豆腐と鶏肉の感触の違いを肌で感じ学んでいるのです。とはいえ、ずっとそればかりして食べてくれないのは困ったものです。こんな時は、以下の3つが効果的。