そんな赤江だが、テレビ朝日着任直後、「1週間、毎日違うルートで家に帰ってくれ」と命じられ戸惑ったという。前任者の週刊誌報道があってのことだが、実際マンションのインターホンに謎の女性が接触をしてきた。翌日、「何だったんでしょうね」と鳥越に話したら、「それは週刊誌の記者だよ」と言われ、「そんな扱い、大阪では全くなかったですから、えーーってなりました」。

 ABCでは「タレントではなく、社員」と繰り返し教育された。だから、「そうか、東京では、女性アナウンサーはタレントさんの枠に近い感じなんだ」と思ったという。

 3年近く経ち、赤江は番組を離れて大阪に戻る。社風があまりに違い、戻りたくなったそうだ。どんな違いかと尋ねると、戻って半年後に「サンデープロジェクト」の司会をした話になった。

 土曜日にABCで情報番組「おはよう朝日です」に出演、打ち合わせ後に東京へ。その足でテレビ朝日に行き、田原総一朗率いる「サンデープロジェクト」の打ち合わせ。翌日、本番。「他愛もない会議」から「大学の講義」。「ひらがなの議事録」から「漢字の議事録」。「笑いがとれたらオッケーなところがある」ABCと「やはり真面目で堅い」テレビ朝日のギャップに、頭がパニックになりそうだったと振り返る。が、それだけではなかった。(文中敬称略)

(文/矢部万紀子

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