「最も高い料金で提案しているのは、年間で一番需要がある5月の中学生の修学旅行です。需要が低くなる12月と比べると、1人あたり3千円の差があります」(担当者)

 社会的意義から一定数の修学旅行を受け入れているというが、代金が一般客と比べて安いかどうかは、ケース・バイ・ケースだという。需給バランスによって一般客の価格は上がったり下がったりするからだ。あらかじめ価格が決まっている修学旅行の場合、ホテル側にとっては「収益的な面での利点は限定的」(同社担当者)という側面もあり、安易な値引きはやはり経営に響く可能性もある。

 一概に価格を下げることが難しいとしても、旅費の内訳やそれぞれの費目の内容に注目すべきだ。稼ぎすぎている業者はいないか。担当の教員は適切なプロセスで旅行会社を決めているか。保護者や社会、より多くの目で点検していくことが修学旅行の料金の健全化につながる。(編集部・小田健司)

AERA 2020年2月24日号より抜粋

[AERA最新号はこちら]