その後、同年2月24日の記録では、総務省幹部が礒崎氏に、

「総理にお話しされる前に官房長官にお話し頂くことも考えられるかと思いますが」

 と伝えたことに対して、

「これは高度に政治的な話。官房長官に話すかどうかは俺が決める話。局長ごときが言う話では無い」

「この件は俺と総理が二人で決める話」

「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ。首が飛ぶぞ」

 などと、恫喝とも思える厳しい言葉が並んでいる。

当時の礒崎陽輔首相補佐官と総務省幹部とのやりとりの記録
当時の礒崎陽輔首相補佐官と総務省幹部とのやりとりの記録

 同年3月6日の礒崎氏と総務省幹部のやりとりでは、

「総理もあまり総務省に好感触を持っているようではない」

「(安倍総理が)今はサンデーモーニングには問題意識を持っている」

「あんなのが(番組として)成り立つのはおかしい」

「(究極は)けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要があるだろう」

 などと個別の番組について言及している様子が記録されている。

 そして、同年3月9日の<高市大臣と総理の電話会談の結果>では、

「政治的公平に関する件で高市大臣から総理に電話(日時不明)」

「総理からは、『今までの放送法の解釈がおかしい』旨の発言。実際に問題意識を持っている番組を複数例示?(サンデーモーニング他)」

 などと書かれている。

 その4日後の3月13日には、

「総理は『軽く総務委員会で答弁しておいた方が良いのではないか』という反応だったとのこと」

 とある。

 それを受けての動きなのか、同年5月12日、参院総務委員会で自民党の藤川政人氏が、政治的公平性について高市氏に質問し、数回の質疑応答の末、

「極端に政治的公平性を逸脱している場合には、1番組だけでも政治的公平性に反するといえる場合があるというご答弁をいただいたものと考えます」

 と締めくくっている。

 内部文書は、この藤川氏と高市氏の質疑応答で終わっている。

 再び今月3日の参院予算委員会。

 小西氏はそうした内容を踏まえ、高市氏に、

「安倍首相から放送法の解釈はおかしいという発言や、実際に問題意識を持っている番組、『サンデーモーニング』という言葉があったのか」

 と尋ねた。すると、高市氏は、

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“政治的公平性”に前のめりだったのは官邸