プロレス界に激震が走った。
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1月29日、サイバーエージェントは、プロレスリング・ノアを運営するノア・グローバルエンタテインメントの発行済株式の全株式を取得することについて合意したことを発表。サイバーエージェントは2017年9月にDDTプロレスリングをグループ化しているが、それに続くプロレス団体のグループ入りだ。DDT社長の高木三四郎がノアの社長も兼任し、副社長にはノアの丸藤正道が就く。今後ノアはDDTとともにグループシナジーを活かすことで、さらなる発展を目指すという。
DDTのサイバーエージェントグループ入りも驚きのニュースではあったが、今回のノアのサイバー入りはそれ以上の驚きだ。
DDTは1997年旗揚げの比較的新しい団体。企画力に定評があり、「文化系プロレス」などとも言われた。
一方、ノアは1972年に故・ジャイアント馬場さんによって旗揚げされた全日本プロレスの主力選手が大量独立して2000年に旗揚げした団体。団体創始者は2代目タイガーマスクとしても活躍した故・三沢光晴さんで、いわば日本プロレス史の王道、本道を行く団体だ。09年に試合中の事故で三沢さんが亡くなるといった苦難の歴史を背負いながらも、昨年1月よりリデットエンターテインメントが親会社となると新機軸を打ち出し、観客動員数などもアップするなど、上り調子を感じさせていた矢先の出来事だった。
プロレス・格闘技専門チャンネル「サムライTV」キャスターの三田佐代子さんは、今回のノアのサイバーエージェントグループ入りについて、こう語る。
「驚きましたが、既に実績のある高木社長が経営面を改善することで、選手が試合に専念できるのであればそれが一番いいこと。これを機にリングがより充実して、社会への発信に長けた人たちのサポートでこれまでノアを知らなかった人にもその魅力が届くことを願っています」
高木社長は記者会見で「業界一位を目指していく」と発言したが、今回の件に日本プロレス界の再編、プロレス界でひとり勝ちの状況が続く新日本プロレスへの対抗軸を期待するファンもいる。都内在住の40代のプロレスファンの会社員はこう語る。
「サイバーエージェントには、全日本プロレスやレッスル1なども糾合して、新日本プロレスに対抗できる大きなプロレス事業体を立ち上げてほしいです。新日本のきれいでスタイリッシュなプロレスもいいんですが、それだけじゃないというところをしっかり見せられるプロレス団体、往年の全日本のような団体がやっぱりほしい」