「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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やってみたからこそ、わかることがあります。「元日休業」実験もその一つです。年末から年始にかけて、102店舗で実施。お客さまのご迷惑にならないように、実験店舗では前もって元日も営業する近隣のお店をご案内するなどの対策を取りました。
これまで、コンビニには店を閉めるという概念がありませんでした。休むためには食品を売り切ったり、休み明けの品出しにも時間を要します。防犯対策や、ATMのお金の出し入れといった想定外のコストもかかりました。オーナーの方からは「休めてよかった」という声がある一方、「大変だった」という意見や、「正月以外で休めないのかな」など様々な声を聞きました。
オフィス街など正月は閑散とする店もあれば、元日に多くのお客さまが訪れる店もあります。
何より感じたのは、1年365日あるなかで、1日休むことだけが正解ではないということ。まずはオーナーのみなさんがしっかり稼げる仕組みを創ります。そして働き方も考えていくことで、本質的に変わることができると思っています。元日休業は一つの選択肢でしかありません。
年末年始に4日ほどかけて、関西や九州など各地のローソンを訪ねました。「ローソンが開いていてよかった」と言ってくださるお客さまを見て、これがコンビニだとうれしくなったというオーナーの方もいれば、「大変で何とか正月を迎えられた」という意見もあり、こうした声を受け止めて、地域の多様性に合わせた店づくりをしていきます。
今年最初の朝礼で、2020年は「ローソン・リボーン元年」と掲げました。これまでのように気合と根性でなんとかする時代は終わりにして、店のあり方や経営の仕方をゼロから考え直したい。来年の正月に振り返った時、変革が起きたと胸を張れる一年にするために、全力を尽くします。
※AERA 2020年1月27日号