「桜を見る会」追及本部の会合で、内閣府などの担当者ら(手前)に質問する野党議員ら/12月3日、国会内 (c)朝日新聞社
「桜を見る会」追及本部の会合で、内閣府などの担当者ら(手前)に質問する野党議員ら/12月3日、国会内 (c)朝日新聞社
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「桜を見る会」を巡る疑惑と安倍政権の説明【1】(AERA 2019年12月16日号より)
「桜を見る会」を巡る疑惑と安倍政権の説明【1】(AERA 2019年12月16日号より)
「桜を見る会」を巡る疑惑と安倍政権の説明【2】(AERA 2019年12月16日号より)
「桜を見る会」を巡る疑惑と安倍政権の説明【2】(AERA 2019年12月16日号より)

 支離滅裂な説明で「桜を見る会」問題の追及から逃れようとする安倍政権。その姿に、野党のみならず与党議員さえも思うところがある様子。この問題をめぐる与野党議員の姿勢を取り上げたAERA 2019年12月16日号の記事を紹介する。

【図を見る】「桜を見る会」を巡る疑惑と安倍政権の説明はこちら

※【「モリカケ問題」の教訓が生きた? “二つの戦略”で「桜を見る会」問題から逃げる安倍政権】よりつづく

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「桜を見る会」をめぐって顕著なのは、安倍政権を支える与党議員からの援護射撃が少ない点だと、ある野党幹部は言う。

「本来であれば、もっと野党に対する攻撃が、与党の個別の議員から飛び出してもいいはず。それが出ないのは、『シュレッダーにかけたのは予定通り』『データは復元できない』『バックアップデータは公文書にあたらない』といった官邸の説明に、腹の中では納得していないから。そればかりか、そんな馬鹿なと思っているからですよ」

 官邸が「桜を見る会」をめぐる問題を沈静化できないのは、会への招待者を含め関係者があまりにも多く、モリカケのときのような官邸主導の事実上の隠蔽工作が不可能だからだ。

 そこで、安倍政権が選択したのが、日米貿易協定などの重要課題さえも早々と処理して、会期を延長せず臨時国会を閉じて「逃げ切り」を図る戦法だ。政府関係者はこう本音を漏らす。

「新しい爆弾が飛び出さない限り、逃げ切れるだろう。この問題をきっかけに、安倍首相が、来年の通常国会の冒頭に解散に打って出る可能性はほぼない」

 一方の野党は問題発覚後、立憲民主党や共産党などが合同の追及チームを結成。その後、問題が拡大するとみるや、これまでにない大規模な野党合同の追及本部を設置して共闘する体制を固めた。ある野党の幹部は、モリカケ問題への対応を念頭にこう話す。

「今回は、桜を見る会に関する資料を独自に入手した共産党がカギだった。いつもは、野党内にも共産党アレルギーの濃淡があるため、国会で野党がひとつになって政府を追及するには時間がかかるが、今回はほぼ独自情報は共産党頼りだった」

 その一方、立憲民主党と国民民主党は解散総選挙を念頭に、両党が一つになる方向での話し合いを水面下で進めている。対等な「合併」なのか、野党第1党の立憲民主党に国民民主党が「吸収」される格好なのか。その主導権争いが、問題追及と同時並行で行われていたのも事実だ。

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