等々、実際には授業が行われていない状況であったのだ。そこで、「みんなのコード」でトライアル的ではあるが、大学の1単位時間で取り組めるプログラムを作成。今年、神奈川県の女子大学に勤務する先輩に頼み込み、正規枠ではなく希望者による「特別出前授業」として、このプログラムを実施してみた。
我々も何名の参加希望があるか不安もあったが、募集の結果、1年生から4年生の各学年からの応募で23名の学生が参加した。
我々も学生対象は初めての取り組みだが、教員養成課程の学生を対象としているので「何故、プログラミング教育が導入されたのか」から入り、体験重視(算数・理科・総合)のプログラムを組んだ。
学生たちの真剣な眼差しと笑顔が多い授業となり、学生から、
「プログラミング=難しいというイメージが変わりました」
「学校での授業の中で、プログラミングが大切だということをすごく感じました」
等々、嬉しい感想を多くいただいた。
このトライアル授業をベースに、今年度は教員養成課程の正規枠の授業にも着手した。正規枠での実施は容易なものではない。大学のシラバスに位置付け、評価も付いてくる。となると、実施の観点は2点である。
一つは新学習指導要領に新たに示された観点を理解する授業としての「プロクラミング教育」、もう一つは「算数・理科・総合」の解説書に新たに示された体験を通した授業としての「プログラミング教育」である。
正規枠での実施は、それらを担当されている大学の先生のご了解を得ないと厳しい。9月に新学習指導要領に示された新しい観点としての授業を都内の大学で実施した。対象は3年生70名ほどである。
授業は無難に終えたが、前回のトライアル授業のような達成感は我々にはなかった。授業後に大学の先生方と意見交換をしてその理由がわかった。
「今日の学生は3年生で、まだ教員採用の現実味がないので、学習指導要領の意識は薄い。体験重視の方が良いかも」とのアドバイスをいただいた。