突然の出来事に驚いたのか、最初は丸まっているものもいましたが、やがてのそのそ動き始めます。

 この4種類の食材の中では、チーズが比較的人気を集めていました。

「匂いが一番強いからではないか」という予想を立て、ダンゴムシの様子をじっと見つめます。

 しばらくすると、ダンゴムシは隣のコーナーに置いたかつおぶしの味を確かめるような動きを示しました。

「いろいろ食べ比べてるんかなあ?」

 美味しい食材が目の前にあるのに、ずっと同じ場所にとどまり続けないのが不思議です。

 2回目の実験では、趣向を変えて、お菓子類で試してみることに。

 ポテトチップス、チョコレート、クッキー、おかきを食材として用意し、結果的にチョコレートが一番人気でした。

 この結果をふまえて、匂いだけでなく、食べやすさという観点も重要なのではいう意見が飛び出すますが、確信には至りません。

 私は食べ物実験の様子を観察していて、ふとある疑問が浮かびました。

 それはダンゴムシがどうやって食べ物を見分けているのか、ということです。視覚、触覚、嗅覚のいずれが優位なのかが大変気になるところです。

 知ってるつもりで実は知らないことだらけだったダンゴムシ。この不思議な生き物の探究はまだまだ続きます。

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○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事。

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