「仮に社会的に非難されるべき人であったとしても、法的手続きによらず制裁を加えるのは問題がある。人を裁くのは法であり、個人がその人のプライバシーまで暴くのは、正義感に基づく行動だとしても私刑にほかならず違法行為。今後ますますネットが発達する中、大人、子どもを問わず広くネットのリテラシー教育をすることが必要だ」

 大阪大学大学院の三浦麻子教授(社会心理学)はこう話す。

災害や凶悪事件など、インパクトが大きい出来事の際は、自分が冷静ではないことを自覚して慎重に情報に接する。そして情報の真偽はなるべく自分で確認して、偽かもしれないと思う情報は流さないことが大切です」

(編集部・野村昌二)

AERA 2019年9月16日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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