休み時間は必ず「外遊び」というルールがあるところも。小学3年と6年の子をもつ東京都の母親(48)は、学校への不信感を募らせる。小3の娘は、外遊びも好きだが、時には教室で読書をしたり、友達と室内ゲームをしたりしたいときもあるという。だが、中休みに教室にいると、担任の先生から、
「外へ遊びに行きなさい」
と言われた。それから、先生の目を気にしてしまい、気分がのらない日も外遊びせざるをえず、苦痛になっているという。
「以前、上の子が『休み時間はどう過ごしても自由じゃないんですか?』と聞いたら、先生は黙ったそうです。私も個人面談で担任に理由を聞きましたが、曖昧な返事しかもらえませんでした。先生が『子どもは風の子』と思い込んでいるだけではないでしょうか」
理由がないのに続いているというルールが学校には多い。黙って掃除、もその一つだ。
「“無言清掃”のルールはなぜあるのかわからない。黙って自分と向き合うのは大変いいことだが、掃除中にやらなくてもいいと思う。子どもたちが少しでもしゃべると『掃除をサボるな!』と怒る同僚に呆れています」
と言うのは、長野県の公立小学校の教員の女性(43)。「無言清掃」はおかしいという教員はほかにもいた。保護者が知らない、こんなルールは他にもある可能性がある。
7月末には、反対の声も上がった。都立校の一部で行っている、地毛が茶色い生徒に髪を黒く染めさせる指導をやめさせてほしい──。NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事や、黒染め指導を受けた経験のある女性らが東京都教育委員会に要望書と署名を提出した。髪の毛を染めたり、パーマをかけたりしていないかを確認するため、「地毛証明書」を出させている学校もあった。
アエラネットのアンケートや取材では、ほかにも保護者、教員双方からいくつもの「おかしなルール」が挙げられた。
「プールの授業を休むとペナルティーがある。女子が生理で休んだときも同様」(女性28歳、東京都、公立高校教員)
「中学校なのにハサミの持ち込みが禁止。幼稚園でも使っていたのに」(女性40歳、鹿児島県、子ども中3)
(ライター・大塚玲子)
※AERA 2019年9月9日号より抜粋