

今週はクイズからスタートです。
「半透明の赤いつぶつぶで、口に入れると薄い皮がプチプチとつぶれる不思議な食感の食べ物はな~んだ?」
簡単ですよね。答えは、みんな大好きな寿司ネタのひとつ、イクラです!
瀬戸内生まれの筆者が初めてイクラを食べたのは、学生時代、友人たちと北海道にスキーに行った時でした。札幌の海鮮居酒屋で、どんぶりいっぱいにイクラが盛られた「イクラ丼」をみて、「むっちゃきれいやなぁ。どんな味がするんやろ?」と思わず注文してしまいました。
口の中に入れた時のプチプチとした食感と、その後に中からじゅわ~っとでてくる何とも言えないうまみのトリコとなり、その後1週間、ほぼ毎日イクラ丼を食べ続けていたのを思いだします。現在尿酸値が若干高めなのは、その時のイクラの食べすぎが影響しているのかもしれません……。
皆さんご承知の通り、イクラは鮭や鱒(ます)の卵です。鮭は、秋になると産卵のため、命を懸けて生まれた川をさかのぼっていきます。その鮭から取り出した卵をばらばらにしたものがイクラです。ばらばらにする前のものは筋子と呼ばれています。日本では、8月後半から北海道で秋鮭の漁が解禁となり、11月にかけて三陸や北陸へと南下していきます。
ご存じの方も多いと思いますが、「イクラ」の語源はロシア語で、「魚の卵」という意味です。従ってロシアでは、鮭の卵も、たらこも、超高級品のチョウザメの卵「キャビア」も全部「イクラ」なんです。ただ最近では、鮭の卵を「赤いイクラ」、チョウザメの卵を「黒いイクラ」と呼んで区別しているところもあるようですが。
余談ですが、ひと昔前に「人工イクラ」なるものが世間をにぎわしたことがありました。富山県の会社がサラダ油や海藻エキスなどを使って製造に成功したそうです。
見た目や食感、味なども本物のイクラとほとんど見分けがつかないということで、一時期、市場にもこうした人工イクラが多く出回っていると言われたこともありました。実際は、人工イクラより天然のイクラの方が値段が安く、現在は市場に出回っていることはまずないようです。
くら寿司では、今週金曜日から「旬の極み」フェアとして、日本最大の産地である北海道の旬のイクラを、1貫あたり通常の3倍使用した「北海道こぼれいくら」を販売します。イクラ好きにはたまらない一品です。また、ロシア産の大粒のイクラのみを厳選して使用した「大粒いくら」も同時に販売しています。
9月20日には、ラグビーワールドカップ日本大会が、日本対ロシア戦で開幕します。その前に一足早く、北海道とロシアのイクラの食べ比べ対決を皆さんでジャッジしてみませんか?
※AERAオンライン限定記事
◯岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、18年12月から「くら寿司株式会社」広報担当