コミュニケーションが苦手な人って、大縄跳びに入るタイミングがわからないみたいに、どのタイミングで入っていいのかわからない。大人数の時は、自分と多少気が合う人を見つけておいて、その人の後に発言する、とルールを決めておくといい。「あーわかります」って言って入ると、すんなりいけます。

 ムードメーカータイプが気をつけるべきは、自分のことで精いっぱいになりすぎないこと。ムードメーカーって急にテンションがクライマックスに到達して、喋りだすことがあります。「え、いまそれ喋る?」ってタイミングで。彼らなりのサービス精神なんだけど。できれば言いたいことを言う前に「私、今これ喋って大丈夫ですかね?」って前置きしましょう。そうすると「いいよ、いいよ」ってやさしい空気が場に広がります。

 作家タイプは自分の得意分野にしか関心がないタイプ。自分の世界に他人を一歩たりとも入れないし、他人の領域にも面倒くさがって入っていかない。今まではそれでよかったんですが、今年は敵対関係になりやすいときだから、「協力してくれる気がないんですね」って打ち切られてしまう恐れがあります。

「あの問題どうなってます?」って誰かがやっていることにちゃんと関心を持つことがコツ。「前に話してたあれってどうなったんですか」って関心を持って聞いてもらえると、やっぱり誰でも嬉しいですよね。

 コミュニケーションに関してもう一点、全体の風潮で僕が気になっていることがあって。それは「ゴネ得」みたいなことが横行していること。相手を脅したり、無理難題をぶつけたりするクレーマーみたいなやり方が、一つの戦術になっている気がするんです。そういう人たちは、「議論に勝つことが正義」「能力があれば勝ち」と思っていますが、話し合いができないから、だんだん遠ざけられていきます。そういう相手にのまれず、冷静に「ここまではできますが、ここからはできません」っていう態度を取りましょう。(編集部・高橋有紀)

AERA 2019年9月2日号より抜粋

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