

金をはじめ商品先物市場全般を取材、執筆し続けてきたベテラン記者、岡本正房さん(市場経済研究所顧問)が教えてくれる「金のトリビア」。今回は「試金石」「小判」「玉黄金らっきょう」について。
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■試金石は硯(すずり)の石
「このケースは試金石になるだろう」
新聞にはこんな表現がよく出てきます。この試金石とは実際にある石なのでしょうか。
試金石は実際にあるんです。広辞苑によりますと、試金石とは「価値、力量などを判定する材料になる物事」と定義されていますが、語源は金の品位を調べる道具にあります。
金はいろいろな金属を含んで品位がはっきりしないことがあります。ところが、硯石のような黒い石に金をこすりつけると、黒い石の上に金色の条痕(じょうこん)が生じ、その濃淡を見ると簡単に金の品位を判断することができます。そこで、この石のことを「試金石」と呼んだのです。
なんだか、いい加減な方法のようですが、意外にはっきりと品位がわかるそうですよ。ただ、判定はいくつもの金を用い、その色を比較します。そこで、材料になる金がいくつもいるうえ、手間がかかるのが難点です。
■小判はなぜ楕円形か
普通、金貨といえば円形が多いものですが、日本の大判、小判はなぜか楕円形(だえんけい)をしています。いったい、どうしてこんな形になったのかご存じでしょうか。
これには大きく4つの説があります。1つ目は米俵の形に基づいたというもの、2つ目は人の手のひらの形に基づいたというもの、3つ目は鶏卵の形に基づいたというもの。そして4つ目は竹流金(たけながしきん)から発展したというものです。
竹流金とは金塊の一種で長方形をしており、ところどころに節があります。金は砂金の形で流通していましたが、不便なために平安末期ごろからこの形が造られ始めました。命名の由来は、竹の中に入れて金を固めたためとか、ところどころに節があって、竹の形をしているからとかいわれています。
この4つの中では、竹流金を延ばして楕円形にしたという説がかなり有力なようです。ただ、楕円形の金貨は日本だけの独特の形だけに、なにか、もっと神秘的な意味があったほうが金にはふさわしい気がするのですが……。