■縁起がよさげな金らっきょう

 らっきょうといえば白っぽい球が頭に浮かびますが、黄金色をしているらっきょうもあります。その名は「玉黄金(たまおうごん)らっきょう」。千葉県の最南端、館山市で生産されています。

 玉黄金らっきょうは文字通り黄金色でツヤもあり、いかにもおいしそうです。甘酢を使っているにもかかわらず、あまり甘ったるくなく、らっきょう特有のパリパリした歯応えが売り物です。

 千葉県から茨城県にかけての海岸沿いは砂地が多く、大粒のらっきょうの大産地で、昔から、らっきょうの生産が盛んでした。そこで「らっきょうにさらに付加価値をつけよう」と地元のメーカーが努力した結果、1966年にらっきょうを甘酢に漬けて黄金色に輝かせることに成功、販売を開始したのです。

 最初は茨城や九州産を使っていましたが、現在は茨城県産を使っているとのことです。いずれにせよ、「黄金を食べる」とはなんとも縁起のいい話です。

 もちろん、贈答品などに使えば、縁起物として喜ばれることは間違いないでしょう。カレーも黄金色ですし、ある意味いい取り合わせですね。

○著者/岡本匡房(おかもと・まさふさ)/市場経済研究所顧問
1941年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。編集局整理部、編集局商品部次長、産業第三部次長、川崎支局長、地方部次長、同編集委員、日経産業消費研究所商品研究部長などを経て現職。主な著者に『ゴールドハンドブック』『金ちょっとおもしろい話』『商品先物市場と日本経済』など。

※アエラ増刊『AERA with MONEY 毎月3000円で純金投資』の記事に加筆・再構成