100の次の整数“101”とは、つまり物事の第一歩を表す数字でもあるのだ。

「時間の区切りは0ではなく1から始まります。新世紀も00年ではなく01年が初年です。101の最初の1は過去、0でリセットし、1は未来へのリスタートです」(同)

 前出のカトリーヌさんも、100ではなく101である意味を、こう考える。

「100という数字は、どこか一区切り、収まりがいい数字ですよね。101は、一区切りからさらにひとつ先へ、一歩踏み出したという意味を感じます。101ではないですが、『2001年宇宙の旅』なんかも、新たな時代という意味が込められていそうですよね」

 さらに、“101”がシンメトリーな数字であることに西川氏は注目する。

「3桁の数字の中で、ゼロをはさんで対称となるのは、“101”と“808”、そして対称位置の陰陽の勾玉を彷彿させる“609”と“906”しかないんです。シンメトリーな数字は、無限や永遠を表しているように感じますね。そして、原点・起点である0を鏡にして新たな第一歩の1で挟んだ“101”は、対照的な二つの世界の結節点、分水嶺の数だと意味づけられるでしょう」

 0と1で構成される数字である“101”。西川氏は、ここに、デジタルの世界も重ね合わせていく。

「デジタル回路は2進法で作動し、電流のオフを『0』、オンを『1』で表して高速で計算します。スマホもコンピューターもAIも、数値、文字、音声、画像、動画など、あらゆる情報を0と1だけで表記・表現し、記憶し、考えます。“101”は10進法のアナログの時代から01のデジタルの時代へと歩み出す記念すべき数字です」

 ということは、「週刊朝日」が101年間紡いできた、非デジタルの紙の上でのメディアも、ちょうど一区切りをつけて新たな時代の第一歩となる記念の周年となる、というタイミングだったのではないだろうか。すべてはここにつながったのだ!

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 ……と、“101”をめぐる旅は、こういうできすぎた着地点となりました。ご存じのように、本誌は残念ながら102周年や103周年を祝うことはできませんが、思えば“102”や“103”という数字を冠したり祝ったりするものってあまりないような気もしますしね。(本誌101取材班・太田サトル)

週刊朝日  2023年3月3日号

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