韓国は日本を牽制するために、これを使いたいという思惑もあると思います。しかし、そうなれば日米韓3カ国の安全保障上の連携を揺るがすことになりかねず、米国の介入が本格化するかもしれません。
対馬海峡上空を中ロの戦闘機が飛行した共同警戒監視活動や北朝鮮のこれまでとは違うタイプの短距離ミサイルの発射など、日韓の軋轢と日米韓の連携を試すような挑発が相次ぎ、北東アジアの地域の安保環境が揺らぎつつあります。日韓の対立がさらにエスカレートし、制御できなくなった時、不測の事態も覚悟しなければならなくなります。
また、日韓の間の輸出管理の強化、あるいは輸出規制は結果としてHUAWEIなどの中国企業に塩を送ることになりかねず、事態は日韓両国の思惑を超えてより複雑かつ広範に波紋を広げることになるでしょう。日韓の両当局者の自粛と歩み寄りを願わずにはいられません。
※AERA 2019年8月12・19日合併増大号