日本でベビーシッターを利用したことのある親は、たった4.7%しかいないそうです。「たった4.7%しか」というのは、ベビーシッター利用が一般的なアメリカで育児をしているわたしの感覚ですが、日本にいる皆さんは「まぁそれくらいだろうな。周りで利用したことある人、見たことないもんな」とか、「4.7%もいるなんて驚きだ」などと思われるかもしれません。
この数字は、ベビーシッター・家事代行マッチングサービスのキッズラインが2017年に行った調査(※1)によるものです。同調査によると、ベビーシッターの利用率は4.7%と低いのですが、それでも58.6%の人が「ベビーシッターを利用したい」と考えているとのこと。今回の記事は、この6割弱のかたに向けてアメリカのベビーシッター事情を書いてみたいと思います。アメリカではごく気軽にベビーシッターさんを頼む人が多いので、その軽やかさをご紹介することで「いつかは利用したい、でも──」と迷っているかたの背中を押せるかもしれないと思うからです。
アメリカのベビーシッター斡旋サービスUrbanSitterの調査(※2)によると、2019年時点で58%の家庭が最低月1回はベビーシッターを利用しているとのことです。利用頻度として最も多いのは、月に1回(21%)。次点は月2回(19%)。仕事のため毎日のように預けているという層は案外少なく、15%です。
それもそのはず。ベビーシッター代って、高いんです。同調査によると、ひとりの子どもにかかるベビーシッター代は、1時間で平均16.75ドル(約1810円)。子どもがふたりになると1時間19.26ドル(約2090円)です。これはアメリカ全土の平均なので、都市部ではもっと高額になります。わたしの住んでいたシアトルではベビーシッターの需要が高まり、特に評価の高いベビーシッターさんに依頼が集中して、謝礼額がつりあがっていました。教員免許を持っている友人のシッターさんは「仕事を抑えるために金額を上げたんだけど、それでも依頼が減らなくて」と複雑なため息をついていました。有資格者、レビューの高いシッターさんの時給は1時間30ドルから40ドルにもなります。