動画配信元年から4年。Apple TV+やDisney+のサービス開始も告知され、各サービスの会員獲得競争は過熱しそうだ。パッケージ文化が強い日本市場。ユーザーの心を掴むのはどこか。
【写真】Netflixのコンテンツ・アクイジション・ディレクターのジョン・ダーダリアンさん
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厳密なセキュリティーチェックを受けて入った会場は、鮮やかな赤と黒の世界。舞台の上には、豪華俳優陣や映画監督らが顔をそろえ、ただならぬ雰囲気を醸し出す。
6月25日。都内の高級ホテルで開催された「Netflix(ネットフリックス)オリジナル作品祭」。動画配信サービスのネットフリックスで今後配信されるオリジナル作品が紹介され、蜷川実花監督や園子温監督の新作などがお披露目となった。さらに、8月8日に配信開始になる「全裸監督」の武正晴総監督は、会場でこう力説した。
「日本のプロダクション撮影とは、環境、整備がまるで違う。一回やったらやめられない」
時間的・金銭的余裕、スタッフの質、バックアップ体制……。武総監督の言葉は止まらない。
ネットフリックスの日本におけるオリジナル実写作品のクリエイティブを統括しているコンテンツ・アクイジション・ディレクターの坂本和隆さん(36)が言う。
「1日に10時間以下での撮影や制作を目指していますが、日本だと24時間労働が発生する現場もある。ネットフリックスはそれをやりたくない。われわれは年間の制作本数におけるターゲットがないことを生かし、ノルマファーストではない。参加する方が満足のいくよう、丁寧に作品と向き合いたい」
ネットフリックス、アマゾン プライム・ビデオのサービスが日本国内で開始され動画配信元年といわれた2015年から4年。今秋にはApple TV+のサービスが国内で開始され、11月にはウォルト・ディズニー社独自の動画ストリーミングプラットフォームDisney+の立ち上げも告知されている。いわば動画配信「第2の波」の到来だ。
Disney+は対ネットフリックス戦略とも言われる。同社が自社作品をネットフリックスから引き揚げる意向だと報じられたからだ。