「コンビニ百里の道をゆく」は、49歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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G20大阪サミットが6月28、29日に開かれました。各国首脳が一堂に会し、国が直面する課題を議論する一大イベントです。首脳宣言には、プラスチックごみ対策やデジタル課税、貿易と投資など幅広い議論が反映されました。ローソンは、警備関係者向けのお弁当を供給しました。
例年、G20の目玉の一つに、開催国のお国柄を映す“おもてなし”があります。大阪の開催ということもあり、お好み焼きやたこ焼きも目立ったようです。こうした“粉もん”はインバウンドの方にも大人気。先日、大阪の店舗を視察した際、学生時代に週4日は通ったミナミのラーメン屋を訪れたときのこと。味に懐かしさを覚える一方で、周りのお客さんを見て驚きました。なんと日本人はほぼ私たちだけだったのです。
よく見ると、たこ焼き屋もお好み焼き屋も並んでいるのはインバウンドの方ばかりで、とにかく活気がすごい。大阪の気取らないB級グルメが外国の人たちに認められたような気がして、どこか誇らしい気持ちになりました。
今回のG20のテーマの一つでもある、データ活用の国際ルール化の道のりを「大阪トラック」としたように、最近大阪への注目度が高まっているように感じています。2020年の東京五輪の後、25年には大阪万博がある。五輪の勢いを万博につなげることができればさらに活気づき、IR誘致も実現するかもしれません。
こうして地方が元気になれば、これまでなかなか進まなかった地方再生がかなうかもしれない。東京から遠く離れた場所だからこそ生まれる文化や歴史、気質といったものの良さがあります。
日本は更に観光立国になろうとしていますが、大阪だけでなく、全国の地方都市のいいところを発信して、日本の良さを外にどんどん知ってもらいたいですね。
※AERA 2019年7月15日号