
蜷川実花監督作「Diner ダイナー」が7月5日から全国公開される。主演の藤原竜也さんとヒロインを演じた玉城ティナさんが、「贅沢な時間だった」という濃密な撮影の日々を振り返った。
【画像】蜷川実花が撮った! 美しすぎる藤原竜也が表紙を飾ったAERA
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自分の居場所を見つけられずにいたオオバカナコ(玉城ティナ)は、ある日、“高給バイト”に手を出したことがきっかけで、元殺し屋のシェフ、ボンベロ(藤原竜也)が取り仕切るダイナーで働くことになる。訪れる客は全員殺し屋だ。映画「Diner ダイナー」には、とてつもないエネルギーが渦巻く。
藤原竜也(以下、藤原):最初のころは、自分からはなかなか話しかけてくれなかったよね(笑)。突然おどろおどろしい世界に放り込まれた美少女が、そこで翻弄され、殺されかけ、でもときに僕ら殺し屋を助けてくれて。そういう設定なので、「芝居以外は関係ないから」といって話さないというのも、アリなのだけれど。僕も最初は「話しかけたら嫌がられるかな」と思っていて。
玉城ティナ(以下、玉城):そんなことないですよ(笑)。
藤原:「面倒だな、と思われたらどうしよう」と考えていたけれど、こちらの話にも付き合ってくれた。ティナはティナで、すごく疲れていたと思うよ。実花さんだけでなく、色々な人に話しかけられていたでしょ。
玉城:話しかけてくださって、ありがたかったです。私自身、「凄い場所に放り出されてしまった」と、気持ちのうえではカナコとリンクしていたので。でも、それよりもプレッシャーというか、「私に務まるのかな」という気持ちのほうが強かったですね。いま1年経って振り返ってみると、撮影中はなるべく現場の空気感のままでいたいという気持ちがありました。その空気をわざわざ壊そう、という気にはなれなかったです。
藤原演じるボンベロの台詞には「俺はここの“王”だ!」「砂糖の一粒までが俺に従う」といった、素人目にも演じるのが難しいのではと思わずにはいられない言葉がちりばめられている。