7月19日から全国7都市でのコンサートツアーを控えたKing&PrinceがAERAに初登場。ファン待望の1stアルバム発売を目前に、グループや個人での活動にかける想いを聞いた。
* * *
撮影のスタンバイ中、5人は顔を向き合わせて歌っていた。はじめはハミングだったのに、スタジオのBGMに負けまいと、どんどん声が大きくなる。自分たちの曲を、メンバーのモノマネをしながら歌っているらしい。楽しそうな様子に、スタジオ中から笑いがこぼれた。
何件もの取材をこなした後なのに、誰も疲れた様子を見せない。
永瀬が楽しげに言った。
「この1年、色々経験させてもらったけれど、心だけはそのまま、みんな若いままです」
それを受けて高橋が、
「グループでいると、仕事だということを忘れて心から楽しんでしまう」
と言えば、平野も同意した。
「僕ら自身が楽しむこと、楽しんでいる姿を見せることが正解なのかなと思っています」
グループの強みを尋ねられて、「武器がないところが最大の武器」だと全員で笑い合った。だから、失敗を恐れず、身軽になんにでも挑戦できるという。
鮮烈なデビューから1年。シングルは3作連続でオリコンランキング1位を獲得した。今月19日に待望の1stアルバム「King&Prince」をリリースする。7月からはこのアルバムをひっさげ、コンサートツアーが始まる。ドラマや映画と個人の活躍もめざましく、まさにアイドルの王道を行く印象だが、当人たちが意識しているのはそこではないようだ。
「自分たちで新しいものを築いて、これまでにないグループになりたい」と岸。
新アルバムのリード曲「Naughty Girl」のミュージックビデオ撮影では、メンバー全員、激しいダンスをなんと一発で決めたという。
「だけど、努力しているとは言いたくない。僕らがいるのはゴールがない世界。常に上を向いていけるのが楽しい」
神宮寺がそう語ると、向かいに座っていた永瀬が突然、「上を向いて歩こう」を歌いだした。しかものびのびと。若さとは、今を全力で楽しむエネルギーのことかもしれない。(編集部・塩見圭)
※AERA 2019年6月24日号