今回、招待国として日本も参加しているコパ・アメリカは、いわば「南米最強」を決める大会。ブラジルやアルゼンチンなどの強豪にとって、ワールドカップに次ぐタイトルといっていい。世界が視線を注ぐ大会を前に、海外メディアも久保を注目の若手として紹介した。

 実際、久保は日本の中心としての活躍を求められる。今大会は招待での参加であり、クラブに選手の派遣義務がないため、原則23歳以下のチームで臨む「東京五輪世代」が大半というチーム構成になったからだ。日本代表初選出が13人。実績で見ても、久保は上の方だ。「(五輪世代のチームと)両方経験している選手の役目も大事になってくる」と、久保も自覚する。

 日本は大会3連覇を狙うチリ(日本時間18日)、ウルグアイ(同21日)、エクアドル(同25日)と1次リーグで対戦する。いずれも強豪揃いだ。その戦いを待たずして移籍を決めた形だ。

 今月4日が誕生日。国際移籍が解禁となる18歳になった。10歳でバルセロナ(スペイン)の育成組織に加入。クラブが「国際移籍は原則18歳以上」という国際サッカー連盟の規則に違反した影響で、13歳で帰国した経緯がある。その「古巣」への復帰もささやかれたが、結果はライバルのレアル・マドリード。FC東京側も一時は慰留したが、久保は世界を選んだ。

 表情にはあどけなさすら残る18歳が世界を脅かすのは、もうすぐそこだ。

(朝日新聞スポーツ部 勝見壮史)

AERA 2019年6月24日号