写真:小黒冴夏(上)、スカイドライブ、CARTIVATOR提供(下)
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写真:小黒冴夏(上)、テトラ提供(下)
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「空飛ぶクルマ」が実現目前と言われている。その実現を担う都内の新興企業は東京五輪でのデモ飛行を見据えているという。「空飛ぶクルマの国際コンテスト」で日本チーム唯一のトップ10入りを果たした同社の関係者が実現までの想いを語る。

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 空飛ぶクルマを開発・製造する「スカイドライブ」のオフィスがある東京都新宿区のマンション14階。新宿から浅草までの東京の高層ビル群を一望できるガラス窓に、小さな数字が書かれたテープが貼られていた。

 東京スカイツリー634メートル。東京タワー333メートル、NTTドコモ代々木ビル239・85メートル……。

「私の脳内では、空飛ぶクルマが眼前のビルの谷間や上空を縫って、鳥のようにビュンビュン飛び交っているイメージが既にでき上がっています」

 ビル群を指さしながら、真顔でこう話すのは同社代表取締役の福澤知浩さん(32)だ。

 社員は30代中心の計20人。事業メンバーは東京、エンジニアは愛知にそれぞれ拠点を構え、福澤は両拠点を毎週往復しつつ数多くの面談もこなす。

「さまざまな分野のサービスにかかわる民間企業や行政の関係者と話すことで、近未来の具体的な都市設計のイメージをつくっている実感があります」

 中高校生のころ、技術者らの開発秘話を紹介するNHKの番組「プロジェクトX~挑戦者たち~」にはまり、ものづくりの世界への憧れを募らせた。

「一部の専門家や富裕層だけが使うものではなく、誰もが日常で使うようなものづくりに携わりたい」

 そう考えた福澤さんが東京大学工学部卒業後に就職先に選んだのはトヨタ自動車だった。同社には7年間在籍。工場で「カイゼン」に取り組んだり、車の部品調達に携わったりした。

 空飛ぶクルマにのめり込んだのは、トヨタ時代の12年に同僚の中村翼さん(34)らと設立した有志団体「CARTIVATOR」での活動がきっかけだ。

「何か面白いモビリティーをつくりたいというところからスタートしました。画期的なモビリティーのアイデアを出し合い、実現したら一番ヤバイね、となったのが空飛ぶクルマでした」

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