看護師さんも失礼なことを言うもんだと思いましたが、生まれたばかりの自分の写真を見ると、やはり「お肉ちゃん」です。むしろ「お肉ちゃん」以外の言葉が思いつかないほどに「お肉ちゃん」です。

その「お肉ちゃん」のお肉が、主に体の末端に行ったんでしょうね。顔、手、足。バランス的におかしいくらい、とにかく大きいんです。

人間、自分にないものに憧れを抱くという傾向は多かれ少なかれあるような気がしていますが、ご多分に漏れず、すべてが大きい僕は、逆に小さいものに憧れます。

たとえば酒の肴も、大皿料理にはあまり惹かれず、旅館の料理のような小さい盛りつけの方が断然好きだったりします。

あと、麺類も、太麺より細麺の方が好き。ラーメンはもちろん、焼きそばだってスパゲティーだって細麺が好き。ビーフンとか大好き。うどんより蕎麦が好き。あと、ソーメンとか大好き。

さらに、「君が役に立つのは、高いところにある物を取ることだけ」と言い放つ我が妻の身長は、147センチ。その小さい体を存分に生かし、人混みをスルスルとかいくぐり、僕の3倍くらいのスピードで闊歩する妻にはやはり憧れに近い感情を抱きます。

ここまで書いて、今回のコラムのオチが思いつかないので妻に相談したら、「君にも小さいものがあるじゃん」。

なんだろ?と思って、妻に聞いてみました。「俺の小さいところなんてある?」。

妻、ニヤリと笑い、

「気。あと、器」。

しょぼぼん。

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