ジェイソン:英語と日本語では、情報量やスピードが違います。最新の研究結果や情報はほとんど英語で発信されますから、翻訳を待たずに理解できたら、仕事にも差が出るでしょう。
モーリー:ニュースもそうですね。たとえば北朝鮮に関することでも、英語のニュースのほうが情報に厚みがあります。英語メディアにはさまざまな国の出身者がいて競争が激しく、記者会見でも厳しい質問が出る。メディアに自浄作用があるんです。欧米メディアにもタブーはありますが、記事の量が多い分、意見の幅も広くなる。
ジェイソン:ただ、英語ができても異なる主張をバランスよく読む人は、少ないですけどね。
モーリー:自分の好きなメニューだけを食べ続けるような人が多いかもしれない。それでも英語がわかれば、日本語とは比べものにならない量の情報にアクセスできるようになるのは確か。世界の動きをリアルに感じ取るためには、やっぱり英語はできたほうがいいですね。(構成/ライター・斉藤真紀子)
※AERA 2019年4月29日-2019年5月6日合併号より抜粋