「半年ぐらい投与を続けると、食欲も出て、みるみる元気になり、効果を実感しました。実用化後はもう一度、投与をお願いしたいと思っています」

 AIM製剤の可能性を見据え、サポート役を買って出たのが公益財団法人動物臨床医学研究所の山根義久理事長(75)だ。

「AIMたんぱく質の治療効果は人の腎臓病にも応用できます。宮崎先生の説明を聞いて、『これはノーベル賞級だ』とたたえました。生涯をかけて応援しようと思っています」(山根理事長)

 同研究所は、今春にもスタートするAIM製剤の薬事申請に必要な臨床試験に全面協力する。山根理事長は言う。

「われわれに臨床試験データを提供してくれる獣医師は全国にいます。これまで何十年も臨床試験を請け負ってきたノウハウの蓄積もあります。のためにも人のためにも、一日も早く実用化できるようバックアップします」

(文/渡辺 豪)

※AERA増刊「NyAERA (ニャエラ) ネコの病気と老い」から

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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