部屋はシェアハウス、マンション、戸建ての3タイプで、賃料の目安はそれぞれ5万~8万円、10万~100万円、30万~100万円。試しにサイトをのぞいてみると、東京の山手線大崎駅から徒歩9分、19平方メートル、築2年のマンションが13万8千円だった。似た条件の物件だと、普通に借りたら10万円強が相場。かなり割高なようにも思えるが、OYO LIFE運営会社の勝瀬博則CEOは、こう話す。

「これまで10万円の家賃といっても、実質的な月々の負担額は14万5千円くらいだったんです。そう考えれば、OYOの14万~15万円は決して割高ではない。10万円払っていた人には十分払える額です」

 そのカラクリは、こうだ。

 一般的に、引っ越しには敷金や礼金などの諸経費がかかる。たとえば、賃料が10万円なら、敷金、礼金に仲介手数料や鍵の交換代などで52万5千円程度かかる。さらに家具・家電を買い揃えるのに約20万円、月々の家賃は管理費込みで11万円と想定。退去の際の引っ越し費用などで12万円かかり、2年間住むと仮定すると、合計で348万5千円かかる。これを月あたりにならすと、実質的には毎月、14万5千円を負担しているのと同じことになるのだという。

「もちろん住む期間が長くなれば平均の負担額も下がるので、1カ所にとどまりたい人は従来の賃貸契約のほうが良いでしょう。でも、18カ月以内に引っ越すのであればOYO LIFEの方がお得です」(勝瀬さん)

 OYOはこのサービスを通じて、「旅するように暮らす」というライフスタイル自体を提案したいのだという。

「自由がきく独身時代は住みたいところに住んで、生活そのものを楽しみましょうよ」(同)

 OYOが狙うターゲットは、ずばり、1980年代から2000年前後に生まれたミレニアル世代。冒頭の村上さんもまさにそうだが、モノの所有にこだわらない世代とも言われる。そのため、OYO物件の入居者は、家事代行や、車や服のシェアリングサービスを定額で利用できる「OYO PASSPORT」もオプションで利用できる。しかも最初の1カ月は無料という特典付き。

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